昼ランのことなど

うちの会社は1時間の昼休みに、工場の周りをランニングする人達が結構いる。

8月も終わりという今日でも、日中の気温はまだ30度を超えている。

12時30分、工場の敷地内にある食堂は、社員の混雑が一段落するころだ。

走り終わったランナーが汗だくで入ってきては、列に並びはじめる 。

自分もそのうちの一人で、今日はバイパス沿いを5kmほど走った 。

12時40分ごろ、トレーに定食のセットを載せて、テーブルに着く。

たっぷり汗をかいた後のメシは、ことのほか美味い。

生きてる実感がある。

18で入社して数年後に走り始め、途中腰を痛めて10年近く中断したが、45を過ぎてまた走り出した。

20代のころ、みんながゴンさんと呼んでいる当時45歳くらいのランナーがいたことを思い出す。

ゴンさんとは何かと気が合って、走った後は一緒に昼飯を食べたり、地方の大会に一緒に出掛けたりしていた。

ゴンさんは、定食のおかずを全部どんぶり飯の上にあけて、ヤカンからお茶をザバザバかけてしまうのだった。

こうしないと、メシがノドに入っていかないという。「もう年だからねえ」と、いつも笑っていた。

ゴンさんはもう退職して会社にはいない。今は70歳を超えているはずだ。

食べ終わって、お茶を飲みながら、ゴンさんが今も元気で走っていることを思った。